療法食とは何か。

定義

療法食の定義は、以下のように定義されています。

獣医師が犬・猫の疾患の治療などを行う際、人間の場合と同様、栄養学的サポートが必要な場合があります。治療の内容に合わせてフード中の栄養成分を調整し、治療を補助する目的で提供されるフードで、一般に犬・猫のフード(主食及び間食)として認識されることが明確であるものを療法食と呼びます。

ペットフードの表示に関する公正競争規約・施行規則 解説書
ペットフード公正取引協議会

栄養成分の量や比率を調整又は特別な方法で製造され、食事療法において獣医師の診断・指導に基づく給与を意図したフードです。

一般財団法人 獣医療法食評価センター
http://www.vdec.or.jp/index.html

どちらの団体も「獣医師」という言葉が入るように、適切に療法食を使用するには、獣医師の判断が必要になります。療法食は通常の総合栄養食とは栄養バランスが異なる為、不適切な長期使用は健康を害する恐れがあります。必ず獣医師の判断のもと、開始、継続、変更を行ってください。

各療法食の栄養組成に基準はあるの?メーカーが異なっても栄養組成は同じなの?

結論から申し上げますと、メーカーは違えど療法食の種類が同じであれば、栄養組成は近い場合が多いです。しかし、 療法食には総合栄養食と異なり明確な基準がないため、場合によっては、メーカーにより大きな差が出ることもあります。変更の際は注意が必要です。

療法食の栄養組成は、総合栄養食(AAFCOやFEDIAF)のように世界的に利用される基準はなく、各メーカーの判断に任されています。論文や文献などをベースに作られていることが多く、大手のメーカーの場合独自の研究結果を反映させていることもあります。そのため、各社の療法食や病気に対する考えにより、栄養組成に差が出ることがあります。
一般社団法人 獣医療法食評価センターでは療法食ガイドラインを作成していますが、明確な数値の基準はなく、全ての療法食メーカーが加入しているわけではありません。

飼い主様の自己判断により、勝手に療法食を変更するのは危険

インターネットの普及により、海外製の療法食が毎年のように新しく日本で販売を始め、価格や利便性の観点から病院から紹介されたものをインターネットで購入する飼い主様が増えてきました。ここで問題となるのは、獣医師の目の届かないところで飼い主様の意図的または不注意によって勝手に療法食を変更してしまうことです。
同じ種類の療法食でも、メーカーにより栄養組成が異なっている場合や、同じだと思って購入した療法食が、実は別のもの(買い間違え)だったといったことがよくあります。

かかりつけ動物病院の先生も世の中にある全ての療法食の内容を把握しているわけではありません。事実、療法食とは名ばかりで総合栄養食とたいして変わらないものから、内容成分が不明なマイナーなものまであります。私たちが相談を受けた際は、直接販売元へ問い合わせをしますが、輸入代理店(メーカーそのものが日本になく輸入だけしている)の場合は、明確な回答が返ってこないことが多いです。そのため、信頼のおけるメーカーの療法食を獣医師の紹介により購入することをお勧めしています。飼い主様は療法食を変更する際は、必ず獣医師に相談をしてくださいますようお願い申し上げます。

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