牛乳・ヨーグルト・チーズのお話~乳糖不耐症ってなに?~

牛乳を飲むと下痢をするのに、ヨーグルトやチーズで下痢が起こりにくいのはなぜ?


「乳糖不耐症」という言葉を耳にしたことはありますでしょうか?
牛乳を飲むと下痢をする人がいる、というのは昔から言われていることですが、これは牛乳などに含まれる「乳糖」という糖の一種が関連しています。乳糖を分解する「ラクターゼ」という酵素をあまり持っていない人では、乳糖分解できずに下痢をしてしまうというわけです。
人に限らず犬、猫でも、牛乳に含まれる「乳糖」を分解する「ラクターゼ」という酵素が少ないことから下痢をしてしまう子がいます。分解、吸収されないまま乳糖が大腸まで到達すると、大腸内の浸透圧が上昇し、腸壁の水分を腸の中に引っ張ってきてしまうため(浸透圧性)下痢が生じます。さらに、大腸の中にいる微生物が乳糖を利用し、乳酸や二酸化炭素、水素、メタン等を発生させて大腸を刺激してしまい、蠕動運動が強まって下痢の原因となります。

しかし、ご経験のある方もいると思いますが、面白いことに同じ乳製品にもかかわらず牛乳から作られているヨーグルトやチーズを与えても下痢をしないことが多いです。なぜなのでしょうか?

一般的なヨーグルトは製造過程で乳酸菌が乳糖を消費し30%ほどは分解されてしまいます。さらに、胃酸で死滅せずに小腸へと到達した乳酸菌が出すラクターゼが乳糖の分解を助け、大腸への到達を防いでくれていると考えられています。
※ヨーグルトの上澄みの水分(ホエイ)に乳糖が多く含まれているため、犬や猫に与えることは避けたほうが良さそうです。

チーズに関しては、乳糖が製造段階でほぼすべてホエイに移行しているため、乳糖はチーズにほとんど含まれません。
※ただし、リコッタチーズはホエイから作られるため、乳糖を他のチーズよりも含んでいます。

乳糖が少ないからと言って大量に与えても良いというわけではないですが、食材の特性を理解することで不安に思っていて与えていなかったものが、安心して与えられるようになります。
食生活が豊かになりますね!

牛乳で便秘管理?

乳糖不耐症の動物にとって、牛乳はラクツロースと呼ばれる便秘症の子によく使われる薬と同じ作用を示します。そのため、ラクツロース(薬)の代わりに、牛乳を投与することによって便を軟化させようとすることもあるようです。
ラクツロース60%(製品)に含まれるラクツロースの量は、1mlに600mgほどで、牛乳には、ラクトースが1mlあたり44mgほど含まれています。

その為、牛乳でラクツロースと同じ効果を得ようすると最低でもおよそラクツロースの14倍ほどの量を摂取しなければならないということと、個体によってラクトースの分解能は大きく異なる為、投与量に大きなバラツキが出てくることが想定されます。ラクトース不耐症で牛乳好きであるならば、選択肢の一つにはなるかもしれませんが、牛乳を飲む量が多くなると他に摂取する食事を含めた栄養バランスも考慮しなくてはならないため、注意が必要です。

おまけ:ヤギミルクは下痢をしない?

ヤギミルクは牛乳に比べ乳糖の量が10%ほど少なくなってはいます。また、ヤギミルクが消化器症状を出しにくい理由は、乳糖量だけでなく、脂肪球の大きさが牛乳よりも、かなり小さく吸収しやすいという点も挙げられます。 しかし、そこまで乳糖の量が減っているわけではないため、大量に飲めば下痢をする可能性があるため注意が必要です。

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